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a)260mm試験エンジン
軽量化をはかるため、構造変更、材質変更の面から検討を行った。
材質については、ピストンクラウンを構造用鋼(SCM材)とし、ピストンスカートを球状黒鉛鋳鉄(FCD)として、締付ボルトにより締結した。構造については、ピストンリングの本数を従来の5本から4本に削減した。これにより、ピストン完備重量(ピストンピンなどを含んだ状態)で、一体型の48kgから41kgへと約15%軽量化できた。

 

本ピストンについて、2次元および3次元FEM解析を行うとともに、静応力試験装置により、実体に燃焼最高圧力相当の荷重を与えた静応力試験を実施し、得られた応力値について比較検討を行った。(図37)
この結果、ピストンクラウンの一部を除き、FEM解析値と実測値は良く一致した。(図38〜40)
また、2次元解析と3次元解析では、3次元解析の方がより静応力試験による実測値と一致することがわかった。
このことより、ピストンクラウンでFEM解析値と実測値で差のある部分が見られたのは、接触問題の取扱いにあったものと考えられ、今後の課題とする。

 

b)320mm試験エンジン
一体型および組立型について、構造、材質の面から検討を行った。
本320mm試験エンジン用ピストンの場合は、一体型の方が軽量化でき、ピストン完備重量で組立型の110kgに対し、102kgと約10%軽量化できた。260mm試験エンジン用ピストンと同様に、FEM解析を行うとともに、静応力試験を実施し、得られた応力値について比較検討を行った。
この結果、実測値とFEM解析値とはよく一致した。(図41)

 

 

 

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